自然が豊かなモーリシャス。せっかく来たのだから、リゾートホテルでのんびり過ごして日ごろの疲れを癒したら、大自然の中に繰り出してみたいと思いませんか?
山でのアクティビティにおすすめなのが、ル・モーン山(Le Morne)の登山!
ル・モーン半島にそびえたつ岩山を登れば、日本では決して味わえないような絶景を満喫できちゃうんです。そして、モーリシャスの歩んできた歴史の一部も感じることができます。
そこで、今回は実際に登山してきたわたしが、ル・モーン山の基本情報から登山ツアーの予約方法、実際の登山の様子を紹介します!
ル・モーン山(Le Morne)とは?
ル・モーン山はモーリシャス島の南西の端に位置するル・モーン半島(Le Morne Brabant)にある、標高556 mの岩山です。
周囲はビーチに沿って高級リゾートホテルが点在するリゾートエリアになっています。
山の地形や周囲の絶景ももちろん素晴らしいのですが、実は歴史的にも重要な意味のある山なんです。
奴隷制時代の悲しい歴史が眠る山
他のアフリカ諸国と同様に、かつてモーリシャスもヨーロッパ列強から植民地として支配され、東方奴隷貿易の中継地点となっていました。
その中で、脱走した奴隷たちが逃げ込んだのが、このル・モーン山。切り立った岩山という独特の地形が他の人々を寄せ付けず、奴隷たちはここで洞窟などに身を潜め、ひっそりと暮らしていたそうです。
そしてイギリス占領下であった1835年、モーリシャスでの奴隷制は廃止されますが、奴隷解放を伝えに来た警官の姿を見た奴隷たちが、自分たちを殺しに来たのだと勘違いし岩場から海に身を投げた、という悲劇が伝えられています。
2008年に世界文化遺産に登録
そんな奴隷たちの歴史を負ったル・モーン山は、その歴史・文化的な価値を認められ、2008年に「ル・モーンの文化的景観」として世界文化遺産に登録されました。
現在も、こうした彼らの生活の後が見られるル・モ-ンは、自由を求めた奴隷の戦いと苦しみ、犠牲の象徴となっており、奴隷の出身地であるアフリカ本土、マダガスカル、インドや東南アジアとの関連も見られる。
出典:ル・モーンの文化的景観
ル・モーン山に登るには?
現地ツアー参加のススメ
自然の美しさと歴史の重みをもったル・モーン山をもっと知るには、やっぱり実際に登ってみること!
登山申請などは不要で、個人で登ることもできるのですが、ぜひガイド付きのツアーに参加することをおすすめします。
迷子にならなず、安全に登れる!
まず、何と言っても迷子になりません(笑)。当たり前と言えば当たり前ですが、旅先での不要なトラブルを避けるためには非常に重要なポイント!
現状、日本からはそこまで主要な観光地ではないモーリシャスの情報を、事前に十分に集めるのはけっこう大変。そんな中、登山の詳しい方法まで調べていくのは至難の業です。
登山道は整備されているのか、誰でも簡単に登れるのか、悪天候時の対応はどうしたらいいのか…
ツアーでガイドについてもらえば道案内はもちろん、気を付けるべきポイントをしっかり教えてもらえるので、安心して登山に集中できます。
また、ペースをしっかりつくってくれて適度な休憩を入れてくれるので、途中でバテすぎることなく登頂できます。
自然や歴史の解説が聞ける!
もう一つのポイントが、登山中にいろいろなことを教えてくれること。
モーリシャスの固有の植物のことや、先ほど紹介したこの山の負の歴史など、個人で登山していたらなかなか知れないことも、歩きながら教えてもらえるので、自然を満喫すると同時に学びもあって一石二鳥!
現地ツアーの探し方・予約方法
では、実際にどうやって現地のツアーを探すのか?
ホテルによってはツアーデスクで手配してくれることもありますが、今回は個人で探して手配したので、その一例を紹介します。
Trip Advisorのツアー・チケット検索が便利
ツアーの検索と予約には、複数の旅行会社を比較してからそのまま予約できるTrip Advisorを使いました。
トップページから「Le Morne」で検索し、ツアー&チケットのタブを選択すると、ツアーの一覧が検索できます。
ここから口コミや価格、旅程などから好みのものを探して予約するだけなのでとっても簡単!
旅行会社によっては前日まで受け付けしているので、現地での天候や気分に合わせて予約できちゃいます。
現地の旅行会社Horazisの半日ツアーを予約
今回は、いくつかあったツアーの中から、午前中のツアーが選択できて口コミがよかったHorazisという旅行会社のツアーを選んでみました。
所要時間は3~4時間で一人6000円程度のツアーです。
Horazis Le Morne Brabant Hikingツアーに参加!
それでは実際のツアーがどんなものだったか、事前準備から実際の流れまでを紹介します。
事前準備・持ち物
往復3~4時間とは言え、夏場は非常に暑い中、遮るものが少ない場所での登山になるので、事前の持ち物準備は念入りに!
最低限必要なものは下の通りです。
・日焼け止め
・汗拭きタオル
また、急な岩場が続くので、動きやすい服装はマストです!わたしは、ランニング用の速乾性Tシャツにランニングタイツ、ランニングパンツをはいて、靴はウォーキングシューズで特に問題ありませんでした。
ツアーの流れ
8:30 集合
集合場所までの送迎はついていないプランだったので、ホテルからタクシーを手配してもらい、8:30よりちょっと前に集合場所へ。しかし時間になってもガイドは現れず…
西洋人カップルが声を掛けてきたので話をすると、同じツアーに参加するようだったので、みんなで待つことに。Whatsappで電話をしてみると、サイクロンの影響で道が悪く遅れているとのこと。
けっこう時間にはルーズなのか、焦っている様子はありませんでした(笑)。
9:00 登山開始!
結局30分くらい遅れて無事(?)に到着し、ツアースタート!
はじめは平たんな海岸沿いの道を歩き、少し山道に入っていくと、もうこの景色!山の緑とその奥に広がる海とさらにその先にある空がとってもきれい!
しばらく登っていくと、ガイドがあっちが山頂だよと指をさしたので見てみると、断崖が…!
さらに進むと「Beyond this point Dangerous Climbing」の看板w
・・・危ないんかい\(^o^)/
個人で登っていたらかなり不安になったと思うので、やっぱりガイド付きのツアーに参加しておいてよかったなと思いました。
そしてこのポイントを越えてから、たしかにdangerous感満載の登山道に。というかもはや道ではなくて、岩壁でしたw
前日のサイクロンの影響なのか、ところどころ小川がちょろちょろ流れていて岩も濡れていてけっこう危険。
ガイドが登り方のお手本を見せてくれて、それに倣って一人ずつゆっくりと登って行きます。
だいぶ山頂が近づいたところでパンケーキのおやつ休憩。ひたすら岩壁を登り続けてみんなバテバテでしたが、あと少しの力を踏ん張って先に進みます。
11:00 登頂
出発から2時間くらい(聞いていたよりだいぶ時間がかかっているw)で無事に登頂。山頂には十字架のモニュメントが建っていました。
ここからの眺望は本当にすごかった!まく収まらなかったので、上手に写真を撮ることはあきらめて、ひたすら周りの景色をぼーっと眺めてしばらくを過ごしました。
360℃この海と山の緑が広がっている光景は、登るの辛かったけど本当に来てよかったなと心の底から思える絶景でした。
11:30 下山
絶景を目に焼き付けたらいよいよ下山。
山によっては道が違う場合もありますが、ル・モーン山は来た道を帰るしかなく、あの岩壁アゲインです。
登っているときから帰りヤバイだろなとずっと心の中では思っていたのですが、この崖っぷりに思わずビビるw
ガイドからは、もしどうしても歩くのが無理だと思ったらお尻で滑れ、と言われたのですが、ドロドロになりたくない一心でなんとか歩いて進みました。
13:00 全員無事に下山
ゆっくり少しずつ進み、13時ごろ、無事に全員で下山。海岸近くの集合場所まで戻れました。
そこからまた行きにお願いしたタクシーに迎えに来てもらい、ホテルまで。汗だくになり喉がカラカラになっていたので、途中で商店に寄ってもらい水を買ってからは車内で爆睡。
体は疲れたけど心は隅々まで癒されて満たされた、よい登山体験になりました!
モーリシャスの自然と歴史を感じられる観光マストスポット
歴史を学びながら大自然を目の当たりにして刺激の多い1日を過ごすことができたル・モーン山の登山。モーリシャス観光のマストスポットとしておすすめしていきたいと思います。
そして今回申し込んだツアー(Horazis)も、最初こそ時間に遅れてきてどうなることかと思いましたが、少人数制で、参加者ひとりひとりのことをケアしながらガイドしてくれたので、結果的に大満足でした!あわせておすすめ!
ぜひ、これからモーリシャスに行く人は参考にしてみてくださいね!
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