それなりの距離を移動する旅行で一番大きな出費になるものと言えば、たいていの場合航空券。よっぽどのこだわりがなければ、できるだけ安く済ませたいと思っている人も多いはず。
最近はSkyscannerやKayak、エアトリなど、航空券の比較予約サイトが充実しているので、どこからでも簡単にお得な航空券を探せるようになりました。
出発地と目的地、日程を選択して、値段順にソート。長すぎる所要時間や乗りたくない航空会社をチェックして、一番安いのを予約…!
ちょっと待って!!
見かけ上は一番安い航空券、実は後から色々なコストがかかってきてトータルコストで考えるとお得じゃないことがあるんです。
せっかく時間とお金をかけて用意する旅行でがっかりした気持ちにならないように、今回は、安くて一見いいなと思える航空券を予約する際にチェックしておきたいポイントを、3つ紹介します!
自宅⇔空港⇔ホテルのアクセスは大丈夫?
まず確認したいのが、出発・到着時間。航空券の価格はある程度市場原理で決まるため、一般的に、早朝発の便や深夜着の便は価格が安くなる傾向があります。
自家用車で空港まで向かう人はあまり関係ないのですが、電車やバスなど公共の交通機関を使う場合、早朝便に間に合うために空港に着けるか、または深夜便で到着した後に自宅やホテルに向かえるか、予約前に経路を確認しておく必要があります。
特に24時間運行している空港の場合、始発や終電とは関係なく飛行機が発着しているので、注意が必要です。
予約後に間に合わないことが判明する場合、前泊や後泊でホテル宿泊が必要になったり、タクシーをチャーターしたり、余計なコストがかかってしまうことに…!
空港の場所は確認した?
同じ地域とは思えない僻地にある空港も存在する
次に確認したいのが、空港の場所。日本でも成田と羽田、関空と伊丹と神戸のように、近隣地域での空港に発着する飛行機を同一出発地や目的地としてまとめて検索できます。
うまく使うと割安の航空券が見つかるので便利な検索方法ですが、中には安いかわりに(?)とんでもないところに位置している空港も!
例えばロンドン。試しにロンドンの全ての空港からダブリンへの往復航空券を検索すると、最安値で出てくるのは何だか見慣れないスリーレター…
SEN…?
ロンドンで一番有名かつ規模が大きい空港はヒースロー空港ですが、実はロンドンと名前のつく空港は他にこんなにあるんです。
今回検索に出てきたサウスエンド空港に至っては、住所的にはロンドン市内ではなくお隣エセックス州(まるで成田のようだ…w)。
そこで、ヒースロー空港(LHR)でソートすると価格は倍近くに。
しかし、これで安いからと言って安易にサウスエンド空港を予約するのが本当にお得なのか?
ロンドンのターミナル駅の1つ、キングスクロス駅からヒースロー空港・サウスエンド空港までのそれぞれの所要時間と運賃はおよそこんな感じ。
今回比較しているピカデリー線で行く方法は最も安くて時間がかかる方法ですが、それでもサウスエンドの方がさらに遠くて運賃も高い!
航空券自体が安くても、時間が余計にかかることは自由に観光できる時間に影響するほか、レートによってはかなりコストパフォーマンスが低いことがわかります。
土地勘のない海外でこういう場合は、多少高くてもアクセスしやすい空港を選んでおく方がお得です。
空港間移動がある場合はさらに注意!
そして乗り継ぎ便を選ぶときにもう一つ確認しておきたいのが、空港間移動の有無。
検索結果でお安く出てくる航空券の中には、途中の乗り継ぎで近接地域内での空港間移動が必要な航空券が含まれていることがあるんです。
よく見るのが「成田⇔羽田」、韓国の「仁川⇔金浦」、タイの「スワンナプーム⇔ドンムアン」など。
例えば関西空港からウラジオストクへの航空券を検索すると、最安値の航空券に「東京で空港変更」の文字が。
この空港移動、相当の理由がなければ避けることをおすすめします。その理由は2つ。まず物理的に電車やバスでさらに運賃がかかるから。
例えば成田⇔羽田では一番安い京急のアクセス特急~エアポート快速を使っても片道1,700円。リムジンバスを使うと3,000円を超えてきます。
また、もう1つの理由は、移動の時間が正確には読めないから。日本でも事故などで電車が遅れることや高速道路が渋滞することは少なくありません。海外でも事情は同じ。
大型空港ではターミナル移動だけでも一苦労なのに、乗り継ぎ時間に追われる中、荷物を全て持って空港の外に出て、公共の交通機関でまた別の空港に向かう、と考えるだけでちょっと疲れませんか?(笑)
乗り継ぎ便の時は、よほどの理由がない限り、同一空港内での乗り継ぎを選びましょう。
手荷物の規定は確認した?
最後のチェックポイントは、特にLCCや欧米の近距離路線で注意したい、手荷物規定です。ANAやJALなどの一部のレガシーキャリアと違い、航空会社によっては機内持ち込みも一部有料だったり、少しでも重量やサイズが規定を超過しているとかなりの超過金を取られたり、後から追加料金が必要になってしまうところもあるんです。
例えばベトナムのLCCであるベトジェットエア。ベトナム国内の移動が安くできてとても便利ですが、手荷物以外のすべての荷物は有料での預かりになります。一番安くても15kg以下の155,000ドン(約700円)。
一方で、航空券は割高なこともありますが、ベトナムのフラッグシップキャリアであるベトナム航空は23 kgまでの無料受託手荷物が認められています。
それを踏まえたうえで、例えばホーチミンからベトナム最後の秘境と言われるフーコック島までの飛行機を調べてみると、
今回は、航空券単体では割高のベトナム航空を選んだ方がトータルが安くなることがわかります。
本当に「お得」な航空券を上手に探そう!
検索結果からは一見一番安くてお得に見える航空券。でも余計に一泊必要になったり、空港まで大移動をしなければいけなくなったり、荷物を預けるのに思わぬ出費があったり、見た目の安さだけにこだわると結果的にコスパが悪くなってしまうことがあります。
旅行にかかる費用を考えるときは、航空券だけとか宿泊費だけで単独で見るのはなく、トータルで俯瞰して考えることが大切なんです。
個人手配で「お得」に旅したいなと思ってる人はぜひ参考にしてみてくださいねー!
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